私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 どうにかして、みんなの誤解を解かないと! 

「ご、ごめんなさい! 僕の入れた紅茶、おいしくなかったですか!?」

 そう一念発起した直後にティーカップに注がれた紅茶を一口飲めば。
 それを入れた後輩が、泣きべそをかきながら私に頭を下げる。

「違うの! 飲み物の味が不味いんじゃなくて。私の置かれている状況がーー」

 慌てて告げた弁解の言葉は、最後まで口にはできなかった。

「ラボ長! 黒魔術に侵された住人が、暴れ回っています!」

 街中を巡回していたはずの同僚が、転移魔法を使って異変を知らせに来たからだ。

「エルネット。準備はよいか」
「万端だよ! いつでもどーぞ!」

 ーー雑談で暇を潰している場合ではない。
 ガデムに声をかけられた私は、彼とともに現場へ急行した。
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