私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 先程までの勢いは一体、どこへやら。
 ラボ長は呆れたように肩を竦めると、これ以上の対話は困難だと結論づけたのだろう。
 事後処理を行うために、倒れ伏す被害者の元へ向かってしまった。

「何それ」

 この言いようのない怒りや苛立ちを、私はこれからどうやって発散すればいいわけ? 

 手っ取り早くモヤモヤとした気持ちを解消するために。
 近くにあった石ころを蹴飛ばそうと、勢いよく右足を後ろに振り上げればーー。

「凄いです! たった一人で、黒魔術を解呪するなんて……!」

 後輩から、声をかけられた。
 キラキラと瞳を輝かせてこちらを見つめる少年の視線に、悪い気はしない。

「まーね。私の手にかかれば、余裕だよ!」
「僕も早く、エルネット様のような素晴らしい魔術師になれるように精進します!」
「うん。一緒に頑張ろー!」
「はい!」

 私達は満面の笑みを浮かべてハイタッチすると、後処理を終えたラボ長と合流しーーラボに戻った。
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