私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「え、何? どうしたの?」
「行くぞ。貴様は俺だけの美しき花だと、貴族達に証明してやる」
「これ以上注目を浴びると面倒だから、いいよ。あの子に変なトラウマを植えつけても、困るし……」
「身の程知らずが……。俺に言い寄ってきた罰は、きっちり与えねばならん」
「いいじゃん、もう……。終わったことなんだから……」
「よくない」

 いくら私が呆れ顔で嫌がっても、彼は二人を負かしてみせるの一点張り。
 こんな状態で言葉を交わしあったところで、平行線が続くだけだ。

 ――折れるしかないかぁ……。
 でもな……。私の命が、かかっているわけで……。

 身体の弱いマリンヌは、愛する人の隣で貴族達から羨望の眼差しを向けられ――お姫様のように注目を浴びる機会を、ずっと待ち望んでいたはずだ。
 姉である私がそれを台無しにすれば、この場で断罪が開始される可能性が高い。

 魔力は充分に蓄積された状態だから、最悪の場合は転移魔法を使って逃げるしかないけど……。
 頼る場所がないのは、問題だ。

「――トラブルが起きたら。私と駆け落ち、してくれる?」

 レオドールは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしたあと、口元に笑みを浮かべて宣言する。
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