私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 わたしは原作の雰囲気を壊さぬように。
 ヒロインとして完璧に立ち回って見せる。
 そう、決めていたのに……。

「お、お姉、さま……?」

 ――わたしの。
 ヒロインの役割を、お姉さまに奪われるなど……。
 夢にも思っていなかった。

 ――だって。
 エルネット・トヨシーハは、乙女ゲームのお邪魔キャラ。
 ヒロインに立ちはだかる、敵でしょう?

 なのに、どうして。
 お姉さまはヒロインの代わりに天才魔術師として目覚め、黒魔術を解呪しているの? 

「エルネット様は凄い!」
「天才魔術師の誕生だ!」
「ぜひ、皇子達の婚約者に!」

 本来ならばその賞賛は、私が得るべきはずのものだったのに……!

 ――許せなかった。
 妬ましかった。

 わたしの役目だけではなく、メインヒーローであるアルベール様の許嫁の座に収まったお姉さまが。

 ずるい。ずるい、ずるい、ずるい。

 わたしはこの乙女ゲームのシナリオを、完全攻略していた。
 すべてを覚えている、神にも等しい存在なのに!
 悪役令嬢如きに先を越され、遅れを取るなど冗談ではなかった。
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