私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「僕が皇太子で、君が犯罪者だからかな」

 容姿だけ優れた、醜い心の持ち主などーーどれほど努力したところで、彼女の足元にも及ばない。

「え……?」

 僕の指摘はマリンヌにとって、思いもよらない内容であったようだ。
 混乱の中にいるこの子に、どこまで僕の言葉が伝わるかは、わからないけれどーー。

 気づいていないのなら、突きつけてあげるよ。
 見て見ぬふりをしてきた、現実を……。

「黒魔術の使用は重罪だ。ただで済むと、見逃してもらえると。本気で思っていたのかい?」
「だ、だって……! アルベール様だって! わたしにやり方を聞いてきましたよね……!? 同罪ですよ……!」
「うん。僕もいずれ、地獄に堕ちるだろう」
「だったら……!」
「一緒に朽ち果てようって? 君とだけは、絶対に嫌だ」

 マリンヌの瞳からは、再び涙が溢れ出す。
 あの子は何があっても絶対に泣かないし、誰かに頼るような子じゃないのに。
 精神面の弱い女性って、面倒くさいから嫌いだな……。
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