私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ある日の昼下がり。
 人気のない裏庭で原っぱに寝転がり、小休憩をしていた私は……。

「やぁ、エルネット。休憩中かい?」
「うん。もう少しで終わりだから、ラボに戻らなくちゃ」
「そっか。その前に、少しいいかな」
「もちろん。どうしたの……?」

 皇太子に声をかけられた。
 彼は硬い表情で拳を握りしめると、何度も逡巡を繰り返す。

 ーーアルベールらしくないなぁ。

 一瞬入れ替わりを疑ったが……。
 彼の背中に漂うオーラは新緑色で、本人に間違いなかった。

 一体何があったのだろう? 
 呑気にそう考えていた私はこの直後、想定外の急展開に直面する。

「もう一度、やり直せないかな」
「え?」

 何を言われたのか、さっぱり理解できなかった。
 思わず素っ頓狂な声を上げて固まれば、彼は苦しそうに瞳を潤ませながら、震える声で言葉を吐き出した。

「僕が好きなのは、エルネットなんだ」

 アルベールの告白は、今までの前提をひっくり返すほどのインパクトがあった。
 だって。彼が私と許婚を解消しなければ、あのまま結婚するはずだったんだから……。
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