私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「マリンヌが、好きだったんじゃ……」
「あれは、嘘だよ」
「ええ……?」

 なんでそんなことしたの?
 妹の気持ちを、利用したってこと?
 わけもわからず、絶句すれば。
 アルベールはペラペラと、到底受け入れ難い理由を語り出す。

「僕はずっとレオドールに、罪悪感を感じていた。一度だけチャンスがほしいと持ちかけられたから、譲っただけだ」
「何、それ……」
「今は、後悔しているよ。本当に欲しいものは、手放すべきではなかった」
「そんなの、今さら言われたって……」

 ずっと、心の奥底では望んでたよ。
 アルベールよりも、あなたのほうがよかったと。
 その提案をもっと早くにしてくれたら。
 今すぐ胸元へ飛び込んでいく未来だって、あったはずだ。

 得体の知れない好意を向けてくるレオドールよりも、アルベールのほうが好きなときもあったから。

「これからは、もう二度と迷わない。君を離さないと誓うから」

 でも、それは過去の話だ。

 一回裏切られて。
 もう一度信じられるほど、私はアルベールが好きじゃない。

 あの子が彼の隣で嬉しそうに光り輝く姿を目にしたあと、元鞘に戻らないかと誘われたって……。
 素直に差し伸べられたその手を、握れるはずがなかった。
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