私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ーー敗北は、死を意味するのだから。

「やれるか」
「当然! 私を誰だと思ってるの?」

 泣く子も黙る、悪役令嬢ーーではなくて。
 わたしは天才魔術師なんだから。泣き言なんか、言わないよ!

「たとえマリンヌが、前世の記憶を持って産まれていたとしても! 私にとっては、自慢な妹だよ!」
「いい子ちゃんぶらないで……! わたしは、そんなお姉様が……!」
「いつか大好きだって! 仲のいい姉妹に戻れるって、信じているから!」
「これは姉妹喧嘩などでは、ありません……! わたしは、本気であなたを……!」
「この一撃に、すべてを込める! エルネ・アレ!」

 レオドールが剣を振るうのに合わせて、私も魔術を発動させる。
 それらは複雑に絡み合い、強大な魔法へと変化し、そしてーー。

「いやぁあああ!」

 妹の黒く染まった闇のオーラとぶつかった瞬間、霧散した。

 彼女は断末魔を上げると、糸の切れた人形のように床へ倒れ伏す。
 その様子を見下していたレオドールは、危機は去ったと判断したのだろう。
 剣を鞘に収めると、壁際で成り行きを見守っていた部下を呼びつけ、妹の拘束を命じた。
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