私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「悪役は悪役らしく。幸せなど求めず、地べたに這いつくばって、不幸になればいいんです……!」

 なんとも言えない罪悪感でいっぱいになっていれば。
 彼女にある変化が起きた。
 妹の全身に纏わりつく灰色のオーラが、漆黒に染まったのだ。

 先程アルベールが発動させた黒魔術など、比べ物にならない。

「これ……! 魔女の……!」

 ーー私は魔女のオーラを目にした時感じていた既視感に、ようやく気づく。
 木を隠すなら森の中とは、よく言ったものだ。

 ーー病弱な妹には、願いを叶える店を経営などできない。
 その思い込みが、ここまで黒魔術事件の犯人に辿り着けなかった原因であった。

「エルネット!」
「お姉様なんて、大嫌い……!」

 次々に彼女の背中から放出される魔力が、私達を襲う。
 すぐさまレオドールは剣を引き抜いてそれらを切り裂くが、彼は私を庇うだけで精一杯のように見える。

「レオドール!」

 私達は再び背中を預け合うと、迫りくる闇と対峙する。
 自分達の身を守りながら術者の魔力を浄化するのって、結構大変なんだよね。
 2戦目となれば、集中力も途切れてくる。
 でも……。ここで負けるわけにはいかなかった。
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