私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 椅子に座ったままバタバタと両足を動かして、後ろに下がろうとしても。
 ガツガツと身体を打ちつける痛みに声にならない悲鳴を上げることしかできずーー私はその時になってようやく、いつの間にか壁際に追い込まれていたのだと知る。

「怯える必要はない。俺を受け入れさえすれば、全てが丸く収まる」

 ーー後ろは壁。前にはレオドール。

 左右に空きスペースはあるが、相手は百戦錬磨の騎士団長だ。
 魔術の利用を禁止された状態で近距離戦なんて挑んだところで、床に組み伏せられるのがオチだった。

 退路が完全に断たれている状態で、私はどうやってこいつに勝てばいいわけ……?

 あー、もう! イライラする! 頭を使う戦術は、苦手なのに!

「誰があんたを、受け入れるもんか! あっち行って!」

 ーーこうなったら、四肢を使って遠ざけるしかない。
 触れられる場所まで距離を縮めたレオドールの鍛え抜かれた胸板をドカドカと勢いよく蹴りつけ抵抗したが、彼は涼しい顔をしたまま私の膝裏に腕を入れて強い力で拘束する。

「ちょっと! 何す……!」

 ぎゃあ! 下着が見える! 
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