私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「う……」
――明らかにやりすぎたと言わんばかりの顔をした彼は、瞳を大きく見開いて怯えている。
怒られるとわかってるなら、やらなきゃいいのにね?
――まぁ、わざとじゃなさそうだから……。
フォローくらいは、してあげないとかわいそうかな。
そう考えた私は、後退りする彼とゆっくり距離を縮めた。
「私のことは、嫌ってもいいけどさ……」
「く、くるな……!」
「傷ついている人を放っておくほど、私も鬼じゃないよ」
「黙れ! 貴様になど、会いに来なければよかった! こんな惨めな気持ちを味わい続けるくらいなら、消えたほうが……」
「そんなの、冗談でも言わないでよ」
自己否定は、ほんとによくない。
悪いものが寄ってくるから。
私は名前も知らない少年を安心させるため、口元を綻ばせて彼の指先に触れた。
「ちょっと一回、落ち着こう?」
「う……っ」
こっそり彼の周りに漂う嫌な気配を払い除けたつもりだったけど。
ずっと、どんよりとした重い空気に支配されていたのだ。
それが突如取り払われたら、私が何かしたんじゃないかと思うのは当然で……。
少年は呻き声を上げて私の手を振り払うと、呆然と呟いた。
――明らかにやりすぎたと言わんばかりの顔をした彼は、瞳を大きく見開いて怯えている。
怒られるとわかってるなら、やらなきゃいいのにね?
――まぁ、わざとじゃなさそうだから……。
フォローくらいは、してあげないとかわいそうかな。
そう考えた私は、後退りする彼とゆっくり距離を縮めた。
「私のことは、嫌ってもいいけどさ……」
「く、くるな……!」
「傷ついている人を放っておくほど、私も鬼じゃないよ」
「黙れ! 貴様になど、会いに来なければよかった! こんな惨めな気持ちを味わい続けるくらいなら、消えたほうが……」
「そんなの、冗談でも言わないでよ」
自己否定は、ほんとによくない。
悪いものが寄ってくるから。
私は名前も知らない少年を安心させるため、口元を綻ばせて彼の指先に触れた。
「ちょっと一回、落ち着こう?」
「う……っ」
こっそり彼の周りに漂う嫌な気配を払い除けたつもりだったけど。
ずっと、どんよりとした重い空気に支配されていたのだ。
それが突如取り払われたら、私が何かしたんじゃないかと思うのは当然で……。
少年は呻き声を上げて私の手を振り払うと、呆然と呟いた。