私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「先に産まれただけですべてを手にした貴様の顔など、見たくもない!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「離せ……っ!」
「きゃ……っ!」

 このままじゃあいつが、最悪な状態でアルベールと仲違いをしてしまう。

 それは駄目だと、焦ったのがよくなかったのか……。

 とっさに彼を掴んだ手は、勢いよくあいつに振り払われーー。
 ひっくり返った私は、土の上に転がった。

「エルネット!」

 アルベールはすぐさま私に寄り添い、抱き起こそうとしてくれるけど……。
 今すぐに気遣うべきは、明らかにこちらではなく弟の方だった。

 家族よりも許嫁を取ったと、認識したからか。
 レオドールは明らかに落胆した表情を浮かべ、吐き捨てた。

「俺は、悪くない……!」

 二人の仲を取り持とうとした結果、不仲を加速させたなんてーーそんなの、絶対に認めたくなかった。
 どうにか、関係を取り持たなきゃ。

 そう焦った私は許嫁よりも、弟を優先するべく。
 なんのダメージも受けていないと証明するように、スクリと立ち上がって笑顔を浮かべた。
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