私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「言いたいことは、それだけか」
無詠唱である魔術を完成させるまでの、時間稼ぎさえできればそれで充分だった。
「うるさい口は、塞ぐに越したことはない……」
あいつは剣呑な眼差しを私に向けると、口元を歪めて顔を近づける。
ーー私はこの瞬間を、ずっと待っていた。
唇を奪うことだけに意識が集中して、その他が疎かになっている状況なら。
レオドールの拘束から、抜け出せるはずだと……。
ーー意識を集中させて。
口を塞がれる前に、転移魔法を発動させる……!
「エルネット。俺は……」
ーーよし、今だ!
彼の言いかけた言葉を、拒絶するように。
私はあいつをこの場に残し、魔術を使って逃げ出した。
「うまくいかないな……」
私がいなくなったあと。
あいつが反省の色を隠せない様子で顔を覆ったのに、気づかぬまま……。
無詠唱である魔術を完成させるまでの、時間稼ぎさえできればそれで充分だった。
「うるさい口は、塞ぐに越したことはない……」
あいつは剣呑な眼差しを私に向けると、口元を歪めて顔を近づける。
ーー私はこの瞬間を、ずっと待っていた。
唇を奪うことだけに意識が集中して、その他が疎かになっている状況なら。
レオドールの拘束から、抜け出せるはずだと……。
ーー意識を集中させて。
口を塞がれる前に、転移魔法を発動させる……!
「エルネット。俺は……」
ーーよし、今だ!
彼の言いかけた言葉を、拒絶するように。
私はあいつをこの場に残し、魔術を使って逃げ出した。
「うまくいかないな……」
私がいなくなったあと。
あいつが反省の色を隠せない様子で顔を覆ったのに、気づかぬまま……。