私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「落ち着いて、私はいつだって、マリンヌの味方だよ」
「本当ですか……?」
「うん」

 だからどうか、冤罪をでっち上げて処刑だけはしないで!

 不安そうにこちらを見つめる桃色の瞳が、真意を探るように揺らいでいる。
 ここで私を信じられないとあの子が決定づければ、レオドールから逃げた意味がなくなってしまう。

 ーー最悪の場合は妹から逃げるために、あいつに助けを求める羽目になる……?

 それだけは勘弁してほしいと願いながら。
 私はいつまで経っても言葉を口にしない妹と、気まずい時間を過ごした。

「もう二度と、アルベール様に近づかないで頂けますか……?」

 それはちょっと無理があるのでは、なんて。
 口が裂けても言えなかった。
 かと言って、わかったと頷くのも怖い。
 こっちが避ければ、異変に気づいたアルベールから声をかけられる危険性があるからだ。

 言葉を交わさなくても、妹の認識ではアウト判定を食らうだろう。
 ついでにレオドールも嫉妬心を拗らせて、何をしてくるかわからない、と……。
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