私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 マリンヌはわかるよ?
 この子はずっと、自室に籠もりきりで。
 家族以外の人間とまともに会話する機会すら与えられなかったから。

 でも、レオドールは?
 あいつは第二王子だ。
 王族として、それなりに社交性が培われていなければおかしいはずなのに。
 彼は自分勝手な我儘王子に育ってしまった。

 ーーそれは多分、敬われていなかったから、なんだよね……。

 王家は皇太子であるアルベールにだけ帝王学を学ばせ、皇太子として素晴らしい立ち振舞いを期待した。
 第二王子として産まれたレオドールは、彼らにとってはほとんど興味関心を持たれない存在で……。

『俺は影だ。産まれないほうがよかった』

 圧倒的なコミュニケーション不足によって自分を卑下する二人は、案外似た者同士なのかもしれないと思った。

 ーーいっそのこと、この二人がくっつけばよかったのに。

 そんな、本人達の気持ちを無視した自分本意な考えを思い浮かべながら。
 このままではいけないと我に返った私は、彼女に再び優しく囁いた。
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