私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 なんで私、妹と元許嫁を引き裂く恋のお邪魔虫なんかなっちゃったんだろう……。

 そう未来を案じるだけでも、憂鬱な気持ちで一杯になる。
 それを吹き飛ばすためにも! 仕事はきっちり、やらないとね。

「場所は?」
「現在は王都郊外の森にて、解呪を試みておりますが……。状況は芳しくないようで……」

 この世界において、黒魔術は禁呪認定されている。
 人を呪い殺したり、苦しめたり。
 とっても危険な魔法だからだ。
 王族の許可がない限り、使ってはいけない決まりなのだが……。

 私が魔法ラボで、働くようになったあとくらいからだろうか。
 国民が危機に晒される事件が、増加傾向にあった。

 危険な魔法を使える魔術師は、当然その身に秘めた魔力も高い。
 手練が束になっても解呪するのが一苦労な黒魔術にかかった人間は、その時点で人生終了。助かる見込みがないと、見捨てられる運命だったようだ。

 ーーでもそれは、私がここで働くようになる前までの話。

 今は全然、そんなことはない。
 だってこの世界にはーー天才魔術師の、エルネット様がいるからね!

「オッケー。じゃあ、行こっか」

 ーー助けを求める人がいるのなら、黙って見殺しにするわけがない。
 重い腰を上げた私は、異変を知らせてくれた同僚を伴いーー転移魔法を使って、現場へと急行した。
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