あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる

隠密さん

ケンカして早々に仲直りした、後日の放課後の中庭で。

「殿下には護衛はおられないのですか?」

リゼルアはふとした疑問をぶつける。

「一応、いるよ。あの茂みの奥と向こうの建物の屋上。それからこの木の上」

ルナアークは淀みなく教えてくれる。

「え? え?」

確かによく見ると木の上に迷彩柄の服の男性が潜んでいた。リゼルアと目が合うと隠密さんは会釈してくれた。

「私が率いているのはちょっとだけ特殊な部隊なんだ」
「そ、そうなのですね」

リゼルアは動揺した。リゼルア達のこれまでの行動は全部見られていた事になる。

「じゃあ、あの日のキスも……?」
「ああ、そうだね。凄い背徳感がした」

恥ずかしげもなく真顔で答えるルナアーク。
リゼルアは顔から火が出るほど恥ずかしい。

「そのうち慣れるよ」
「でも……」
「そうか。リゼルアには練習が必要だね。ほら、おいで」
「うう……」

両手を広げたルナアークに対し、リゼルアは真っ赤になって震える。
頭を撫でるルナアーク。

「まだ難しいか」
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