あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる
先行き不安
竜の紋章で装飾された馬車に乗り、移動中。一応デートの帰り道だが、ルナアークは常に低温で静かな眼をしている。だから、リゼルアは楽しいデートだったのか少し不安だ。
リゼルアは隣にいるルナアークを見つめる。
長く黒い睫毛の檻に閉じ込められたオニキスの瞳が何ともアンニュイだ。それと、きめ細かな肌と高い鼻梁、中性的な顔立ちに対し、意外と男性的な手、思わず見惚れてしまう。
ルナアークが唐突にリゼルアに質問してくる。
「サソリと言うものを知っていますか?」
「毒があるのですよね」
リゼルアは小首を傾げながら答える。
「タランチュラとどっちが苦手ですか?」
「え? タランチュラですかね……クモですし」
「では、こちらは大丈夫なのですね」
そう言うと丁寧に包装された箱からサソリを出すルナアーク。
「きゃ――――!」
ルナアークは可愛い悲鳴にただ悦に入り、小さく拍手した。サソリは毒を除去しているので安心してほしい。
ウィリーはその話を聞いて「いつかフラれてしまうよ」と忠告しておいた。
♪♪♪
後日のリゼルア。
「私、殿下に嫌われているのかも?!」
リゼルアは不安でエメリに相談する。
「いや、とっても好かれているわよ」
「本当に? どの辺りが?」
エメリは目を逸らし、顔を俯かせる。心なしか顔色が悪く見える。
「知らないほうが良いこともあるのよ……」
「えっ?! どういうこと??」
エメリの肩を揺さぶりながら問うが、明確な答えは返ってこない。リゼルアの中で、謎は深まるばかりである。
リゼルアは隣にいるルナアークを見つめる。
長く黒い睫毛の檻に閉じ込められたオニキスの瞳が何ともアンニュイだ。それと、きめ細かな肌と高い鼻梁、中性的な顔立ちに対し、意外と男性的な手、思わず見惚れてしまう。
ルナアークが唐突にリゼルアに質問してくる。
「サソリと言うものを知っていますか?」
「毒があるのですよね」
リゼルアは小首を傾げながら答える。
「タランチュラとどっちが苦手ですか?」
「え? タランチュラですかね……クモですし」
「では、こちらは大丈夫なのですね」
そう言うと丁寧に包装された箱からサソリを出すルナアーク。
「きゃ――――!」
ルナアークは可愛い悲鳴にただ悦に入り、小さく拍手した。サソリは毒を除去しているので安心してほしい。
ウィリーはその話を聞いて「いつかフラれてしまうよ」と忠告しておいた。
♪♪♪
後日のリゼルア。
「私、殿下に嫌われているのかも?!」
リゼルアは不安でエメリに相談する。
「いや、とっても好かれているわよ」
「本当に? どの辺りが?」
エメリは目を逸らし、顔を俯かせる。心なしか顔色が悪く見える。
「知らないほうが良いこともあるのよ……」
「えっ?! どういうこと??」
エメリの肩を揺さぶりながら問うが、明確な答えは返ってこない。リゼルアの中で、謎は深まるばかりである。