あざと泣き虫令嬢はサイコーな黒王子に歪んだ溺愛をされる

異常事態

学園の人気のない場所で女子五人に絡まれるリゼルア。
それを微妙な距離にある茂みから隠れ見るルナアークとウィリー。

言葉でなじられ、ついにリゼルアは涙が溢れ、泣き出してしまう。

「なんて可愛い泣き顔なんだリゼルア。私は頭がおかしくなりそうだ」
「いや、喜ぶ所じゃない。早く止めに行け!」

この異常事態に不敬は覚悟でウィリーはルナアークに忠告する。

「……泣き顔をもう少し見ていたい」
「は……?」

止めたくてもウィリーにはもう止める術が無い。

「殿下、もっと近くでリゼルアの泣き顔が見たくはないですか? 行ってください」

女性の声でアドバイスが聞こえて来た。
ルナアークは秒でリゼルアの所へ向かう。

「貴女は……!」

ウィリーが振り向くとリゼルアの友人エメリがいた。エメリはリゼルアが不憫でならないと言うように首を横に振った。
< 7 / 25 >

この作品をシェア

pagetop