I LOVE YOU~世界中であなたが一番大好きです~
第四話 トラブルとロミオ役の代打
かくして始まった練習は山あり谷ありのものだった。
いよいよ始まった練習に心が躍ったクラスが張り切りだしたのはいいものの、最後の最後でトラブルが起きた。
「風邪ぇ!?」
場を仕切っているリーダー的存在が、瑛介の伝言を受けて素っ頓狂な声を出す。
瑛介曰く、ロミオ役に抜擢されていた鬼島礼司が風邪を拗らせてしまったのだという。
舞台まであと2~3日しかない状態で代打を決めるのは至極困難であり、不安そうな声が波及していく。
「じゃあ瑛介がやればいいんじゃね?」
「……オレ?」
誰が言ったか、瑛介の名前にシン……と周りが静まり返る。
礼司は顔が整っているが故にロミオに抜擢されたのだが、それならば双子の兄である瑛介にだって言える。
「絶対に風邪、うつされるなよ!」
礼司が風邪を引いたのは、練習の間に挟まれた週末に自分が彼をショッピングモールに連れ回したからだ、と瑛介は考えていた。
流れるがままに決まってしまった代役だったが、責任と負い目を感じている瑛介は引き受けることにした。
しかし、トラブルはこれでは終わらず、後に『呪われしロミオ』という噂話まで出来る出来事が起こった。
「怪我ァ!?」
今にも貧血を起こして倒れそうなリーダーが、額に手を当てながらホームルームで響也からの連絡を受ける。
見事に代打として駆り出された瑛介だったが、今朝に寝ぼけてベッドから落ち、打ち所が悪く腕の骨折をしたということだった。
何が大問題かと言えば今日は本番当日で、彼が病院に行ってから学校に来るまでを待つのは間に合わない。
かといって念入りに予行練習まで行った公演を今更キャンセルするのは、クラスの士気に関わる。
「ったく、あの鬼島兄弟……!」
リーダーは台本とにらめっこをしながら、ついに自分が代打で出ることを考えていた。
「大丈夫やろか……」
「あはは……、寝起きかなり悪いもんね」
幼いころにお泊り会を何度も開催したことのある幼馴染組は、瑛介がわざとではなく本気ですっ転んだところを用意に想像できた。
「あの!氷室先生!」
すると、台本から顔を上げたリーダーが、響也の前にズカズカと歩み寄ってガバッと肩を掴んだ。
「……?」
「代打、お願いできませんか!」
リーダーの思い切った決断にキョトンとしていた一同だったが、だんだんいい提案だと言いたげな雰囲気が流れる。
「どうして僕が?」
「氷室先生、物覚え早そうだし!顔も格好いいし!最悪俺たちがカンペ作って脇から出すんで!」
「私たちも賛成~!」
「クールな先生のロマンチックな演技見てみたいかも」
よく分からない偏見と理論だったが、クラスの女子たちへの攻撃力は強かった。
さらに、響也にとって大事な生徒に困り顔で頼みごとをされては、彼も断れるはずがなかった。
「っていうことはキスシーンも見られるっていうこと?」
誰かが小声で呟いたこの言葉が、さやかの耳に入ると彼女は顔を赤く染める。
これが少し前であれば、響也が選ばれた時点で表立って嫌がりはしないものの、気乗りはしなかっただろう。
そうして、リーダーの猛特訓の末、響也のロミオが急ピッチで整えられたのだった。
いよいよ始まった練習に心が躍ったクラスが張り切りだしたのはいいものの、最後の最後でトラブルが起きた。
「風邪ぇ!?」
場を仕切っているリーダー的存在が、瑛介の伝言を受けて素っ頓狂な声を出す。
瑛介曰く、ロミオ役に抜擢されていた鬼島礼司が風邪を拗らせてしまったのだという。
舞台まであと2~3日しかない状態で代打を決めるのは至極困難であり、不安そうな声が波及していく。
「じゃあ瑛介がやればいいんじゃね?」
「……オレ?」
誰が言ったか、瑛介の名前にシン……と周りが静まり返る。
礼司は顔が整っているが故にロミオに抜擢されたのだが、それならば双子の兄である瑛介にだって言える。
「絶対に風邪、うつされるなよ!」
礼司が風邪を引いたのは、練習の間に挟まれた週末に自分が彼をショッピングモールに連れ回したからだ、と瑛介は考えていた。
流れるがままに決まってしまった代役だったが、責任と負い目を感じている瑛介は引き受けることにした。
しかし、トラブルはこれでは終わらず、後に『呪われしロミオ』という噂話まで出来る出来事が起こった。
「怪我ァ!?」
今にも貧血を起こして倒れそうなリーダーが、額に手を当てながらホームルームで響也からの連絡を受ける。
見事に代打として駆り出された瑛介だったが、今朝に寝ぼけてベッドから落ち、打ち所が悪く腕の骨折をしたということだった。
何が大問題かと言えば今日は本番当日で、彼が病院に行ってから学校に来るまでを待つのは間に合わない。
かといって念入りに予行練習まで行った公演を今更キャンセルするのは、クラスの士気に関わる。
「ったく、あの鬼島兄弟……!」
リーダーは台本とにらめっこをしながら、ついに自分が代打で出ることを考えていた。
「大丈夫やろか……」
「あはは……、寝起きかなり悪いもんね」
幼いころにお泊り会を何度も開催したことのある幼馴染組は、瑛介がわざとではなく本気ですっ転んだところを用意に想像できた。
「あの!氷室先生!」
すると、台本から顔を上げたリーダーが、響也の前にズカズカと歩み寄ってガバッと肩を掴んだ。
「……?」
「代打、お願いできませんか!」
リーダーの思い切った決断にキョトンとしていた一同だったが、だんだんいい提案だと言いたげな雰囲気が流れる。
「どうして僕が?」
「氷室先生、物覚え早そうだし!顔も格好いいし!最悪俺たちがカンペ作って脇から出すんで!」
「私たちも賛成~!」
「クールな先生のロマンチックな演技見てみたいかも」
よく分からない偏見と理論だったが、クラスの女子たちへの攻撃力は強かった。
さらに、響也にとって大事な生徒に困り顔で頼みごとをされては、彼も断れるはずがなかった。
「っていうことはキスシーンも見られるっていうこと?」
誰かが小声で呟いたこの言葉が、さやかの耳に入ると彼女は顔を赤く染める。
これが少し前であれば、響也が選ばれた時点で表立って嫌がりはしないものの、気乗りはしなかっただろう。
そうして、リーダーの猛特訓の末、響也のロミオが急ピッチで整えられたのだった。