孤高の弁護士は、無垢な彼女を手放さない
エレベーターの扉が閉まった後も、あかりと紬はその場に立ち止まっていた。
「あー……あの顔は完全に全女子やられるわ」と、あかりがぽつり。
「……どういうこと?」と紬が問い返すと、あかりは肩をすくめて言った。
「いや、だってさ。あんな笑顔向けられてときめかない人いないって。取り巻きの女子が“一夜だけでも私を見て”ってなるの、ちょっとわかるかも。あんな、かつての攻略難易度S級・冷徹弁護士がさ、あんな笑い方したらさ……」
紬はドン引きしつつも、ふっと苦笑いした。
「……紬がそんな平気な顔していられるのが、理解できない」とあかりが呟いて、くるりと踵を返して廊下を戻っていく。
紬はその背中を見送りながら、小さく息をついた。
(私、隼人くんに心配ばかりかけてるから……安堵の笑顔ばっかりかも)
そう思うと、少しだけ胸が締めつけられる気がした。でも――。
彼が見せてくれるその優しさに、きっと今の私は支えられている。そんな確かな想いが、心にじんわり広がっていた。
「あー……あの顔は完全に全女子やられるわ」と、あかりがぽつり。
「……どういうこと?」と紬が問い返すと、あかりは肩をすくめて言った。
「いや、だってさ。あんな笑顔向けられてときめかない人いないって。取り巻きの女子が“一夜だけでも私を見て”ってなるの、ちょっとわかるかも。あんな、かつての攻略難易度S級・冷徹弁護士がさ、あんな笑い方したらさ……」
紬はドン引きしつつも、ふっと苦笑いした。
「……紬がそんな平気な顔していられるのが、理解できない」とあかりが呟いて、くるりと踵を返して廊下を戻っていく。
紬はその背中を見送りながら、小さく息をついた。
(私、隼人くんに心配ばかりかけてるから……安堵の笑顔ばっかりかも)
そう思うと、少しだけ胸が締めつけられる気がした。でも――。
彼が見せてくれるその優しさに、きっと今の私は支えられている。そんな確かな想いが、心にじんわり広がっていた。