孤高の弁護士は、無垢な彼女を手放さない
食後、ふたりはソファに並んで座っていた。
湯上がりの紬は、パジャマに着替え、隼人の隣でクッションを抱えてリラックスしている。

「……調子、どう?」
ふいに紬が小さな声で尋ねた。

隼人は一瞬、目を伏せ、それからゆっくりと頷いた。
「悪夢も見てないし、なんか……気持ちも落ち着いてる。すごく」

「よかった」
紬は、ふっと安心したように笑う。

「……紬のおかげだなって思う」
「え?」
「いつもそばにいてくれて。何も言わなくても、支えてくれるから。ありがとう」

そう言って、隼人はそっと紬の頭を引き寄せ、自分の肩に乗せた。
紬はちょこんと身を預けながら、少し照れくさそうに笑う。

「もっと甘えてもいいんだよ」
「……してるつもりなんだけどな」
「ううん、まだまだ。もっとこう、ほら」

紬が指を伸ばして隼人の手を取ると、彼はくすっと笑い、今度は彼の方から紬の頬にキスを落とした。
「じゃあ、遠慮なく」

そう言いながら、唇が額から頬、そして口元へ。
「ねえ、今日は落ち着いてるから……甘やかしてもいいよね?」

紬の返事を待たずに、隼人はそっと彼女の腰に腕を回し、ゆっくりとソファに引き寄せた。
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