孤高の弁護士は、無垢な彼女を手放さない
お昼休み。社内の休憩スペースの片隅、いつものように3人分のランチボックスが並ぶ。
「でさ、昨日のミーティングの話、もうちょっと詳しく聞かせてよ」
茜がフォークを口に運びながら身を乗り出すと、あかりも興味津々といった顔で相づちを打つ。
「大橋ってあの人でしょ?声デカくて、前も受付に文句言ってたってやつ。で、弁護士との面談のとき、何があったの?」
紬はご飯粒をゆっくり噛みながら、ふうっと息を吐いた。
「なんか、こっちが話してることを全然聞こうとしないし、正論言えば逆ギレしてくるし……で、私、無理して平気なフリしてたら、途中で記憶がふっとんでて。気づいたらソファで横になってたんだよね」
「えっ……それって倒れたってこと?」
あかりが驚いた顔をして、心配そうにのぞきこむ。
「たぶんそう。でも……その時にはもう、私の中ぐちゃぐちゃで……感情も整理つかないし、何がどうなったか、ちゃんと覚えてないの。最終的には、一条さんが……助けてくれたんだけど」
「えー? 一条さん、最初から助けてくれなかったの?」
あかりの問いかけに、紬は少し黙ったあとで、そっと首を振った。
「ううん。たぶん、見てたと思う。でも……その時は私、自分でも自分を守りきれなかった」
「なにそれー」
茜が口を尖らせた。
「一条って、頼りになるのかならないのか、よくわかんないよね。結局、女の子が潰れるまで待つタイプ? ちょっと冷たくない?」
その言葉に、紬とあかりは思わず顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。
「まあ……そう見えるときもあるかもね」
紬の言葉は曖昧で、どこか遠くを見つめるようだった。
あの瞬間、助けられたのは事実。でも――それだけじゃない何かが、心に残っていた。
「でさ、昨日のミーティングの話、もうちょっと詳しく聞かせてよ」
茜がフォークを口に運びながら身を乗り出すと、あかりも興味津々といった顔で相づちを打つ。
「大橋ってあの人でしょ?声デカくて、前も受付に文句言ってたってやつ。で、弁護士との面談のとき、何があったの?」
紬はご飯粒をゆっくり噛みながら、ふうっと息を吐いた。
「なんか、こっちが話してることを全然聞こうとしないし、正論言えば逆ギレしてくるし……で、私、無理して平気なフリしてたら、途中で記憶がふっとんでて。気づいたらソファで横になってたんだよね」
「えっ……それって倒れたってこと?」
あかりが驚いた顔をして、心配そうにのぞきこむ。
「たぶんそう。でも……その時にはもう、私の中ぐちゃぐちゃで……感情も整理つかないし、何がどうなったか、ちゃんと覚えてないの。最終的には、一条さんが……助けてくれたんだけど」
「えー? 一条さん、最初から助けてくれなかったの?」
あかりの問いかけに、紬は少し黙ったあとで、そっと首を振った。
「ううん。たぶん、見てたと思う。でも……その時は私、自分でも自分を守りきれなかった」
「なにそれー」
茜が口を尖らせた。
「一条って、頼りになるのかならないのか、よくわかんないよね。結局、女の子が潰れるまで待つタイプ? ちょっと冷たくない?」
その言葉に、紬とあかりは思わず顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。
「まあ……そう見えるときもあるかもね」
紬の言葉は曖昧で、どこか遠くを見つめるようだった。
あの瞬間、助けられたのは事実。でも――それだけじゃない何かが、心に残っていた。