旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
好きで堪らなくて結婚したいと願った相手ではなかった。けれど、まさか父が紹介してくれた人がそこまで不誠実な人だったなんて、というショックは大きかった。
自分さえ耐えれば父の顔も潰れない、結婚相手に多くを望みすぎるのは良くない……そうやって自分を無理やり納得させていたすべてが、あの日、心ごとぽきりと折れてしまった。
本当に世間知らずの子供だった。
当時を思い返すたび、喉の奥に苦々しさが込み上げてくる。
比留川さんとの関係は、結婚式の一週間前に綺麗に清算されてしまった。
私がというより、両親がそれ以外の選択を彼に許さなかった。比留川家の家族からは、何度も謝罪や示談めいた提案があったらしい。けれど両親は決してそれを呑まなかったし、許そうともしなかった。
「そんな感じで私より両親が激怒しちゃって、私自身は怒るタイミング、なくしたままだったんですよね」
比留川さんが今なにをしているのか、浮気をしていた女性たちがどうなったのか、今でもたまにふっと考える。
私の両親が、弁護士を通して最も厳しい〝婚約破棄〟という手段を取った以上、彼は社会的な信頼を失い、結果的に当時就いていた職にまで影響が及んだはずだから。
自分さえ耐えれば父の顔も潰れない、結婚相手に多くを望みすぎるのは良くない……そうやって自分を無理やり納得させていたすべてが、あの日、心ごとぽきりと折れてしまった。
本当に世間知らずの子供だった。
当時を思い返すたび、喉の奥に苦々しさが込み上げてくる。
比留川さんとの関係は、結婚式の一週間前に綺麗に清算されてしまった。
私がというより、両親がそれ以外の選択を彼に許さなかった。比留川家の家族からは、何度も謝罪や示談めいた提案があったらしい。けれど両親は決してそれを呑まなかったし、許そうともしなかった。
「そんな感じで私より両親が激怒しちゃって、私自身は怒るタイミング、なくしたままだったんですよね」
比留川さんが今なにをしているのか、浮気をしていた女性たちがどうなったのか、今でもたまにふっと考える。
私の両親が、弁護士を通して最も厳しい〝婚約破棄〟という手段を取った以上、彼は社会的な信頼を失い、結果的に当時就いていた職にまで影響が及んだはずだから。