旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
社会的な制裁はもう十分に周囲が与えてくれていて、けれどそれで私に空いた空洞が埋まるわけでもなく、それから数年、私は結婚に夢を見られないままただ漫然と日々を送り続けて――それで良かった。十分だった。
それなのに。
「叔父は両親とはちょっと違う心配をしてくれてたんだと思います。特に父は、もう私の結婚に口なんて挟めなかったでしょうから……破談になった相手、比留川っていうんですけど、父の紹介で知り合った人だったので」
興味深い話を聞かせてもらったのだから、私も少しでも興味を惹くような話を返したかったのに、オチもなにもないただ重いだけの話になってしまった。いけない、と私は慌てて声のトーンを上げる。
「けど、あんな人に騙されたまま結婚とかしなくて良かったです、私。おかげで和永さんにも会えましたし」
ほとんど勢いでそう口にしてから、私は一体なにを言っているんだと急激に恥ずかしさが込み上げてくる。
耐えきれず顔を背けた。けれどすぐ肩に手をかけられ、あなたの側《がわ》に向き直らされてしまう。わ、と間抜けな声が零れたと同時に上半身がきつく締めつけられ、そのときになって初めてあなたに抱き締められているのだと気づいた。
それまで以上に、燃えるように顔が熱くなる。
それなのに。
「叔父は両親とはちょっと違う心配をしてくれてたんだと思います。特に父は、もう私の結婚に口なんて挟めなかったでしょうから……破談になった相手、比留川っていうんですけど、父の紹介で知り合った人だったので」
興味深い話を聞かせてもらったのだから、私も少しでも興味を惹くような話を返したかったのに、オチもなにもないただ重いだけの話になってしまった。いけない、と私は慌てて声のトーンを上げる。
「けど、あんな人に騙されたまま結婚とかしなくて良かったです、私。おかげで和永さんにも会えましたし」
ほとんど勢いでそう口にしてから、私は一体なにを言っているんだと急激に恥ずかしさが込み上げてくる。
耐えきれず顔を背けた。けれどすぐ肩に手をかけられ、あなたの側《がわ》に向き直らされてしまう。わ、と間抜けな声が零れたと同時に上半身がきつく締めつけられ、そのときになって初めてあなたに抱き締められているのだと気づいた。
それまで以上に、燃えるように顔が熱くなる。