旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
「もう一回言ってくれ、今の」
「ええと、騙されたまま結婚とかしなくて、良かったです」
「続きも」
「……おかげで、和永さんにも、会えました、……んっ!?」
困惑しつつもさっきの言葉を繰り返す。
羞恥を堪えて伝え終えるや否や、まるで拘束のような抱擁が微かに緩み、今度は唇に甘い衝撃が走った。
「ん、ぅ……」
唇に唇を重ねられる感触が、醒めかけていたはずの私の酔いをまた深くする。
反射的に目を閉じた。けれど、目を閉じたほうがむしろ唇に触れる感触が際立って感じられてしまう。ちゅ、ちゅ、と角度を変えて唇を啄まれ、鼻から勝手に甘い声が漏れそうになる。
必死にそれを我慢しながら、あなたの片手が、いつしか私の頭の後ろを押さえていることに気づいた。
逃げられない。
でも、そもそも逃げなきゃいけない理由ってあった? それってなんだった?
手のひら、大きくて、熱くて、すごく気持ちいい――そんな気持ちに溺れた瞬間、浮かんでいた疑問は露と消え失せる。
初めてのキスはやわらかくて甘くて夢みたいで、けれど怖かった。
これ以上の幸せはきっとないと確かに感じているのに、私はそれが怖くて堪らない。
「ええと、騙されたまま結婚とかしなくて、良かったです」
「続きも」
「……おかげで、和永さんにも、会えました、……んっ!?」
困惑しつつもさっきの言葉を繰り返す。
羞恥を堪えて伝え終えるや否や、まるで拘束のような抱擁が微かに緩み、今度は唇に甘い衝撃が走った。
「ん、ぅ……」
唇に唇を重ねられる感触が、醒めかけていたはずの私の酔いをまた深くする。
反射的に目を閉じた。けれど、目を閉じたほうがむしろ唇に触れる感触が際立って感じられてしまう。ちゅ、ちゅ、と角度を変えて唇を啄まれ、鼻から勝手に甘い声が漏れそうになる。
必死にそれを我慢しながら、あなたの片手が、いつしか私の頭の後ろを押さえていることに気づいた。
逃げられない。
でも、そもそも逃げなきゃいけない理由ってあった? それってなんだった?
手のひら、大きくて、熱くて、すごく気持ちいい――そんな気持ちに溺れた瞬間、浮かんでいた疑問は露と消え失せる。
初めてのキスはやわらかくて甘くて夢みたいで、けれど怖かった。
これ以上の幸せはきっとないと確かに感じているのに、私はそれが怖くて堪らない。