旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
抑揚を欠いた声を聞きながら、ぎくりと肩が強張った。
結婚できたらありがたい、と今さっき告げた人とは思えないほど冷めた言葉が耳を刺す。理解が遅れてしまった私の口からは、つい間の抜けた問いかけが零れたのみだ。
「それは、……あの、どういう、」
「愛のある夫婦生活を、といった期待には応えられないという意味です。家計や生活で不自由をさせるつもりは一切ありませんが、もしあなたがそうした夫婦関係を期待されているなら、きっと自分とは絶望的に相性が悪い」
今度こそ言葉を失ってしまう。
このお見合いの席で、しかも前向きに私との結婚を考えてくれている人からそんなことを言われるとは予想していなかった。ウキウキで今回のお見合い話を持ってきた叔父との温度差がひどくて、私はすっかり混乱してしまう。
あらかじめ叔父から聞いている情報は、彼が叔父のかつての部下だったことと、ものすごいエリートであることくらいだ。
難関大法学部卒のエリート、警視正への昇進を目前に控えた捜査二課の警視……そんな彼は、人脈の面で懸念を抱えていて、隣県の県警本部長である叔父との親族としての繋がりを得ることで、さらに自分の立ち位置を安定させたいということか。
つまるところ能見さんにとって、元上司の姪である私との縁談は、まさに政略結婚そのものなのだろう。
望まれている理由が、急速に腑に落ちる。
結婚できたらありがたい、と今さっき告げた人とは思えないほど冷めた言葉が耳を刺す。理解が遅れてしまった私の口からは、つい間の抜けた問いかけが零れたのみだ。
「それは、……あの、どういう、」
「愛のある夫婦生活を、といった期待には応えられないという意味です。家計や生活で不自由をさせるつもりは一切ありませんが、もしあなたがそうした夫婦関係を期待されているなら、きっと自分とは絶望的に相性が悪い」
今度こそ言葉を失ってしまう。
このお見合いの席で、しかも前向きに私との結婚を考えてくれている人からそんなことを言われるとは予想していなかった。ウキウキで今回のお見合い話を持ってきた叔父との温度差がひどくて、私はすっかり混乱してしまう。
あらかじめ叔父から聞いている情報は、彼が叔父のかつての部下だったことと、ものすごいエリートであることくらいだ。
難関大法学部卒のエリート、警視正への昇進を目前に控えた捜査二課の警視……そんな彼は、人脈の面で懸念を抱えていて、隣県の県警本部長である叔父との親族としての繋がりを得ることで、さらに自分の立ち位置を安定させたいということか。
つまるところ能見さんにとって、元上司の姪である私との縁談は、まさに政略結婚そのものなのだろう。
望まれている理由が、急速に腑に落ちる。