旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
怪訝そうに眉を寄せた板戸さんからの質問をかわしていると、副院長が思いのほか真剣そうな声をあげる。
「けど最近いろいろ物騒ッスよね、警察とかに相談しといたほうが良くないスか? ていうか能見さんの旦那さんって警察官でしょ?」
「うーん……まぁそうなんです、が」
食事の席でもちらりと話題に上った話を掘り返され、少し複雑な気分になる。
警察に相談――実害があるわけでもないのにと気が引けるし、和永さん個人にも伝えにくい。多忙の彼に余計な心配をかけるだけだ。それに、その手の相談をすること自体が気を惹きたがっている所作に見えてしまうかもしれない。
それは困る。わざわざ伝える必要はない。この一年の生活で、私の骨身にはもう、そういう考え方が染みついてしまっている。
そもそも私たち夫婦は、あの夜から再びすれ違い生活が再開している。話を伝える暇もなければ、わざわざメッセージを送ってまで共有するほどの情報でもない。会えもしないのに心労ばかりかけてしまっては、とやはり気が進まない。
ほどなくして話題は別のものに変わり、ほっとした。
少しも不安がないと言ったら嘘になるけれど、少なくとも誰かと一緒に過ごしているときは感じずに済む。
「けど最近いろいろ物騒ッスよね、警察とかに相談しといたほうが良くないスか? ていうか能見さんの旦那さんって警察官でしょ?」
「うーん……まぁそうなんです、が」
食事の席でもちらりと話題に上った話を掘り返され、少し複雑な気分になる。
警察に相談――実害があるわけでもないのにと気が引けるし、和永さん個人にも伝えにくい。多忙の彼に余計な心配をかけるだけだ。それに、その手の相談をすること自体が気を惹きたがっている所作に見えてしまうかもしれない。
それは困る。わざわざ伝える必要はない。この一年の生活で、私の骨身にはもう、そういう考え方が染みついてしまっている。
そもそも私たち夫婦は、あの夜から再びすれ違い生活が再開している。話を伝える暇もなければ、わざわざメッセージを送ってまで共有するほどの情報でもない。会えもしないのに心労ばかりかけてしまっては、とやはり気が進まない。
ほどなくして話題は別のものに変わり、ほっとした。
少しも不安がないと言ったら嘘になるけれど、少なくとも誰かと一緒に過ごしているときは感じずに済む。