旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
質問を畳みかけてしまう。
私が放せと言った手を、あなたは律儀に放して、その長い指が行き場を失って彷徨うさまをぼうっと見つめる。
あなたはいつも誠実だった。私が望んだことを、きちんと叶えてくれていた。
けれど、今日のあなたは今までのあなたとはまるで違う。愛を期待するなと言ったそれと同じ口で、私を理不尽に責めて、理不尽な言い訳をして、嫉妬めいた感情を抑えきれずに声を荒らげている。
たった半月あまりで、一体どうしてしまったんだろう、あなたは。
「……だいたい、私は」
ふつ、と感情が乱れた。
その状態で口を開いたから、言葉も感情も、見る間に制御が利かなくなる。
「私はっ、……なにも期待するなって言ったのはそっちでしょう、私はあの約束を守りたかった! あなたのためにできること、私にはそれしかなかったから!」
拳を握り締めて声を震わせる私の真正面で、あなたは呆然と目を見開くばかりだ。
そんなあなたを、今度は私が直視していられなくなる。
「でもそれ、もうできなくなったんです。だから離婚届を渡しました」
「……待て。どういう意味だ」
「好きになっちゃったんです、和永さんのこと。そうしたら私のことも好きになってほしくなりました」
私が放せと言った手を、あなたは律儀に放して、その長い指が行き場を失って彷徨うさまをぼうっと見つめる。
あなたはいつも誠実だった。私が望んだことを、きちんと叶えてくれていた。
けれど、今日のあなたは今までのあなたとはまるで違う。愛を期待するなと言ったそれと同じ口で、私を理不尽に責めて、理不尽な言い訳をして、嫉妬めいた感情を抑えきれずに声を荒らげている。
たった半月あまりで、一体どうしてしまったんだろう、あなたは。
「……だいたい、私は」
ふつ、と感情が乱れた。
その状態で口を開いたから、言葉も感情も、見る間に制御が利かなくなる。
「私はっ、……なにも期待するなって言ったのはそっちでしょう、私はあの約束を守りたかった! あなたのためにできること、私にはそれしかなかったから!」
拳を握り締めて声を震わせる私の真正面で、あなたは呆然と目を見開くばかりだ。
そんなあなたを、今度は私が直視していられなくなる。
「でもそれ、もうできなくなったんです。だから離婚届を渡しました」
「……待て。どういう意味だ」
「好きになっちゃったんです、和永さんのこと。そうしたら私のことも好きになってほしくなりました」