旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
比留川さんと破談になったとき、父も母も私のために尽くしてくれた。
当の私は怒ったり泣いたりする隙さえ逃してしまうほどで、けれどあれは、確かにふたりが私を大切にしてくれていたからだ。
当事者だった私はきっと、感情を迷子にさせている場合ではなかった。
怒るべきだった。自分で動くべきだった。あのとき守られるばかりだった自分の頑張れなさを、私は、四年が経った今もずるずると引きずり続けている。
今度は、自分の言葉で伝えたい。
伝えたい気持ちが怒りではなく愛だからこそ、なおさら。
「……分かったわ。けど、つらくて仕方なくなったらいつでも頼ってね」
「うん。ありがとう」
笑ってお礼を伝えると、母は少し気恥ずかしそうに微笑んで、それから私たちの間には沈黙が流れた。
心地の好い、穏やかな沈黙だった。
当の私は怒ったり泣いたりする隙さえ逃してしまうほどで、けれどあれは、確かにふたりが私を大切にしてくれていたからだ。
当事者だった私はきっと、感情を迷子にさせている場合ではなかった。
怒るべきだった。自分で動くべきだった。あのとき守られるばかりだった自分の頑張れなさを、私は、四年が経った今もずるずると引きずり続けている。
今度は、自分の言葉で伝えたい。
伝えたい気持ちが怒りではなく愛だからこそ、なおさら。
「……分かったわ。けど、つらくて仕方なくなったらいつでも頼ってね」
「うん。ありがとう」
笑ってお礼を伝えると、母は少し気恥ずかしそうに微笑んで、それから私たちの間には沈黙が流れた。
心地の好い、穏やかな沈黙だった。