旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
ここ数週間で、私はだいぶ顔に感情が出やすくなってしまったらしい。
榛奈さんの言う通りだ。彼女が別の男の人を好きだと聞いたからほっとしているだけで、私はきっと、本当はそれを嫌だと思っている。
本来、私はこういう我儘を恐れていた。あってはならないことだと。
それなのに。
「あたしも、わざわざ能見に訊いてないで織田原さんに直接訊くべきだった。そこは本当に申し訳なかったです、……でもね、聞いて」
穏やかな微笑みを浮かべていた榛奈さんの顔に、ふと物憂げな影が落ちる。
「能見の声、ロボットみたいだった。息してない感じっていうか……多分、家に帰ってあなたがいなかったからじゃないかな」
抑えられた榛奈さんの声を、居た堪れない気持ちで聞きながら、私はまたも深く俯いてしまう。
「大事なことほどうまくいかない、ってほっそい声で言ってたよ」
「……あ……」
「この世の終わりみたいな喋り方してんのに、抜け殻状態でも仕事だけは真っ当にこなせちゃうの、あいつらしいよなって思う」
榛奈さんの声は耳に優しい。
けれど私は、その内容をなかなか素直に受け取れない。
榛奈さんの言う通りだ。彼女が別の男の人を好きだと聞いたからほっとしているだけで、私はきっと、本当はそれを嫌だと思っている。
本来、私はこういう我儘を恐れていた。あってはならないことだと。
それなのに。
「あたしも、わざわざ能見に訊いてないで織田原さんに直接訊くべきだった。そこは本当に申し訳なかったです、……でもね、聞いて」
穏やかな微笑みを浮かべていた榛奈さんの顔に、ふと物憂げな影が落ちる。
「能見の声、ロボットみたいだった。息してない感じっていうか……多分、家に帰ってあなたがいなかったからじゃないかな」
抑えられた榛奈さんの声を、居た堪れない気持ちで聞きながら、私はまたも深く俯いてしまう。
「大事なことほどうまくいかない、ってほっそい声で言ってたよ」
「……あ……」
「この世の終わりみたいな喋り方してんのに、抜け殻状態でも仕事だけは真っ当にこなせちゃうの、あいつらしいよなって思う」
榛奈さんの声は耳に優しい。
けれど私は、その内容をなかなか素直に受け取れない。