旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
沈黙の中、小さく鼻を啜る。
通話中の沈黙なんて避けるべきものでしかなかったのに、今は不思議と心地好くさえ感じる。今の私は、電話を通してあなたと繋がれていること、あなたから繋いでくれたことに安堵しているのかもしれなかった。
そのやわらかな沈黙を先に破ったのは、私ではなくあなただった。
『一昨日はすまなかった。あんな言い方をするつもりじゃなかった』
私が伝えたかったのと同じ言葉を、先に言われてしまった。
喉の奥がますます痛んで、とうとう涙が頬を零れ落ちる。「ううん」と首を横に振りながら呟いた。電話でこの仕種が伝わるわけはないと分かっているのに、今の自分は本当に馬鹿みたいだ。
『今から迎えに行ってもいいか? たったひと晩君が家にいなかっただけで何年も会ってない気分だ、もう耐えられない』
「……嘘。二ヶ月会わなかったりとか普通だったじゃないですか、先月まで」
『そうだな。先月までの俺がどうかしてた』
なにそれ、と思わず笑ってしまう。
通話だからなのか、それとも他になにか理由があるのか、珍しく饒舌なあなたの声はいつになく耳に甘く溶ける。
「今、帰り道なんです。もうすぐ実家に着くところで」
通話中の沈黙なんて避けるべきものでしかなかったのに、今は不思議と心地好くさえ感じる。今の私は、電話を通してあなたと繋がれていること、あなたから繋いでくれたことに安堵しているのかもしれなかった。
そのやわらかな沈黙を先に破ったのは、私ではなくあなただった。
『一昨日はすまなかった。あんな言い方をするつもりじゃなかった』
私が伝えたかったのと同じ言葉を、先に言われてしまった。
喉の奥がますます痛んで、とうとう涙が頬を零れ落ちる。「ううん」と首を横に振りながら呟いた。電話でこの仕種が伝わるわけはないと分かっているのに、今の自分は本当に馬鹿みたいだ。
『今から迎えに行ってもいいか? たったひと晩君が家にいなかっただけで何年も会ってない気分だ、もう耐えられない』
「……嘘。二ヶ月会わなかったりとか普通だったじゃないですか、先月まで」
『そうだな。先月までの俺がどうかしてた』
なにそれ、と思わず笑ってしまう。
通話だからなのか、それとも他になにか理由があるのか、珍しく饒舌なあなたの声はいつになく耳に甘く溶ける。
「今、帰り道なんです。もうすぐ実家に着くところで」