旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
「お義母さんにも連絡してある。だいぶ心配なさってた、後で君からもかけてあげるといい」
「いつの間に……ありがとうございます、というか今って何時ですか?」
「八時半過ぎだ」

 いつもなら間もなく職場に到着する時間だ、とさらに眉が寄ってしまう。和永さんが連絡してくれていなかったら、危うく無断欠勤になるところだった。
 それだけではなく、実家にまで連絡してくれていたなんて……すやすや寝ている間になにもかもを済ませてくれていた和永さんに感謝を覚えると同時、甘えてばかりの自分に頭を抱えたくもなる。
 その頃になってようやく、私は自分の格好に気づいた。部屋着にしているワンピースキャミソール一枚で、下着もつけていない。なにより全身、特に腰が極端に怠かった。

(あ……昨日の夜、私たち)

 かあ、と急に顔が熱くなる。
 何度も愛を囁く声、身体の芯ごと蕩かすような熱、足りないとばかりに私を掻き抱く力強い腕――自力で立ち上がれなくなるくらいに甘く激しく愛された私は、眠りの中で続きを夢に見るほどに、愛する人からの求愛に溺れてしまっていた。

 急に恥ずかしくなった私は、露出した肌を慌ててタオルケットで隠した。
 一方の彼はすっかり身支度が済んでいるから、羞恥は一層増していく。
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