旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
私のことも好きになってほしい。愛していると言ってほしい。
そうやってどんどん際限なく欲が溢れてきて、そういう自分がどうしようもなく嫌になって、そして私はアンフェアな恋を無理やり終わらせるためにあの人へ離婚届を渡した。
泣きながらご馳走を片づけて届にペンを走らせたあの日の自分が、今の自分を見ることができたなら、一体なにを思うだろう。きっと目を疑うはずだ。
口元を緩ませる。何度だって、私はこの感動を噛み締めてしまう。
私はこれからも、あれもこれもと欲を溢れさせて生きていくのだろう。
それは多分、とても幸せなこと。
「あ、お母さんもお腹触る? 今すごい蹴ってる、いやパンチかな」
「あらいいの? 和永さんを差し置いてそんな……」
「いや全然差し置いてないよ、あの人も隙さえあれば撫でてくるし」
「あのお堅そうな旦那様が!? 意外ね、でも仲良しでなによりよ」
席を立ち、隣にやってきた母が、そろそろとお腹に触れる。
母の指には、だいぶ皺が目立つようになった。微笑みを浮かべる母の顔に、すでにさっきまでの落ち込みは見えない。
「楽しみね、本当に」
優しさに満ちた顔で笑う母へ、私もまた、唇を緩めて相槌を打った。
「ふふ。そうだね」
そうやってどんどん際限なく欲が溢れてきて、そういう自分がどうしようもなく嫌になって、そして私はアンフェアな恋を無理やり終わらせるためにあの人へ離婚届を渡した。
泣きながらご馳走を片づけて届にペンを走らせたあの日の自分が、今の自分を見ることができたなら、一体なにを思うだろう。きっと目を疑うはずだ。
口元を緩ませる。何度だって、私はこの感動を噛み締めてしまう。
私はこれからも、あれもこれもと欲を溢れさせて生きていくのだろう。
それは多分、とても幸せなこと。
「あ、お母さんもお腹触る? 今すごい蹴ってる、いやパンチかな」
「あらいいの? 和永さんを差し置いてそんな……」
「いや全然差し置いてないよ、あの人も隙さえあれば撫でてくるし」
「あのお堅そうな旦那様が!? 意外ね、でも仲良しでなによりよ」
席を立ち、隣にやってきた母が、そろそろとお腹に触れる。
母の指には、だいぶ皺が目立つようになった。微笑みを浮かべる母の顔に、すでにさっきまでの落ち込みは見えない。
「楽しみね、本当に」
優しさに満ちた顔で笑う母へ、私もまた、唇を緩めて相槌を打った。
「ふふ。そうだね」