旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
「前に話したときは『不満はない』って言ってただろう。どうして急にこんな」
「前……いつでしたっけ、それ」
確かに、そういうやり取りをしたことはあった。
ただ、それがいつだったかまではすぐに思い出せなかったから、つい眉を寄せて尋ね返してしまう。
いくらすれ違いばかりとはいえ、同じ住まいで暮らしている以上、私たちだって顔を合わせる日くらいあるにはある。月に三回、いや二回……それ以下のことも多いけれど。
それも、ゆっくりと腰を据えて話をするわけでもなんでもないから、いつも必要最小限の業務連絡にしかならない。生活費は足りているかとか、不便なことはないかとか、大抵そういう感じだ。
珍しく焦りを顔に滲ませていた和永さんが、私の返事を境にぴくりとも動かなくなってしまったから、私は慌てて取り繕った。
「あ、今のは別に責めてるとかではなくて、実際にいつだったかなと」
「……先月……いや、先々月くらい……だったと思う……」
今にも心労に押し潰されそうな声で返事があり、私はますます慌てて「ああそうでしたね、五月くらいだった気がします私も」と相槌を打った。
気を遣って打った相槌だったのに、和永さんの表情は和らがないし、なんならさらに青褪めていく。私が追い詰めているみたいで申し訳なくなってくる。
気まずい沈黙を先に破ったのは、和永さんだった。
「前……いつでしたっけ、それ」
確かに、そういうやり取りをしたことはあった。
ただ、それがいつだったかまではすぐに思い出せなかったから、つい眉を寄せて尋ね返してしまう。
いくらすれ違いばかりとはいえ、同じ住まいで暮らしている以上、私たちだって顔を合わせる日くらいあるにはある。月に三回、いや二回……それ以下のことも多いけれど。
それも、ゆっくりと腰を据えて話をするわけでもなんでもないから、いつも必要最小限の業務連絡にしかならない。生活費は足りているかとか、不便なことはないかとか、大抵そういう感じだ。
珍しく焦りを顔に滲ませていた和永さんが、私の返事を境にぴくりとも動かなくなってしまったから、私は慌てて取り繕った。
「あ、今のは別に責めてるとかではなくて、実際にいつだったかなと」
「……先月……いや、先々月くらい……だったと思う……」
今にも心労に押し潰されそうな声で返事があり、私はますます慌てて「ああそうでしたね、五月くらいだった気がします私も」と相槌を打った。
気を遣って打った相槌だったのに、和永さんの表情は和らがないし、なんならさらに青褪めていく。私が追い詰めているみたいで申し訳なくなってくる。
気まずい沈黙を先に破ったのは、和永さんだった。