旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
私は和永さんの期待に添える妻ではとうにない。
この恋心がこれ以上大きく膨らむよりも前に、どうしても終わらせたかった。
より深く恋をした自分が傷つかずに済むように、そんな事態に至るよりも前に、早く。
ごちそうさま、と手を合わせた和永さんが、空いた皿をキッチンへ運んでいく。
今日も綺麗に全部食べてくれた。いつもそうだ。帰らない夜以外、作り置きの食事もきちんと食べてくれるし、後片づけまで済ませてくれる。そういうところにも惹かれてしまっている。
今夜の時間そのものが、まるでご褒美だ。
離婚前の束の間、夢を見せてもらっているかのよう。
「ごちそうさまでした」
遅れて食事を終え、私も自分の分の食器を片づけ始める。
食洗機を使うほどではないかな、と洗い物の目測を立てながらキッチンへ向かい、私は目を瞠った。和永さんが、シンクで洗い物をしていたからだ。
今日は私がいるんだからいいのに、と思わず慌ててしまう。
「お皿、置いておいてくれればいいですよ。休んでてください」
「いや、これくらいはさせてくれ」
「あの、本当に大丈夫です。離婚まで家のことは気にしないでもらえたら……」
申し訳なさから飛び出した言葉を伝え終えるよりも先、ガシャンと甲高い音が耳を劈き、私は反射的に固まった。
この恋心がこれ以上大きく膨らむよりも前に、どうしても終わらせたかった。
より深く恋をした自分が傷つかずに済むように、そんな事態に至るよりも前に、早く。
ごちそうさま、と手を合わせた和永さんが、空いた皿をキッチンへ運んでいく。
今日も綺麗に全部食べてくれた。いつもそうだ。帰らない夜以外、作り置きの食事もきちんと食べてくれるし、後片づけまで済ませてくれる。そういうところにも惹かれてしまっている。
今夜の時間そのものが、まるでご褒美だ。
離婚前の束の間、夢を見せてもらっているかのよう。
「ごちそうさまでした」
遅れて食事を終え、私も自分の分の食器を片づけ始める。
食洗機を使うほどではないかな、と洗い物の目測を立てながらキッチンへ向かい、私は目を瞠った。和永さんが、シンクで洗い物をしていたからだ。
今日は私がいるんだからいいのに、と思わず慌ててしまう。
「お皿、置いておいてくれればいいですよ。休んでてください」
「いや、これくらいはさせてくれ」
「あの、本当に大丈夫です。離婚まで家のことは気にしないでもらえたら……」
申し訳なさから飛び出した言葉を伝え終えるよりも先、ガシャンと甲高い音が耳を劈き、私は反射的に固まった。