旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
(……焦ってるのかな)
訝しくなる。焦るというそれ自体が、普段の和永さんのイメージからは懸け離れている気がしてならない。
私との離婚は、そこまで彼の生活、あるいは職務に支障をきたすだろうか。
離婚を私のせいにしてもらえたら、と提案したときも、和永さんは珍しく声を張り上げてまで拒んだ。でも、離婚によって叔父の顔に泥を塗るのは彼ではなく私だ。言うほど深刻な問題ではない気がしてしまうのは私だけなのか。
割れた皿の破片を処理し、シンクに残った洗い物の残りも片づけてからひと息つく。
濡れた手を拭い、リビングとひと続きになったダイニングへ戻ると、指に絆創膏を巻き終えた和永さんと目が合った。薬箱は、すでにリビングの元の棚に戻されていた。
「すまない。余計な手間を増やした」
ぽつりとした呟きを聞く限りでは、落ち込んでいるような印象を受けた。
皿を割ったからなのか、あるいは怪我をしたからなのか。和永さんがどちらの理由で落ち込んでいるのか、それとも別の理由があるのか、なんとなく測りかねてしまう。
気まずさのあまり、キッチンから戻ったばかりの私の足は、再びキッチンへと向いた。
「気にしないでください。ええと、私、お茶でも淹れてきま……」
「薫子」
話を遮るように呼ばれたせいで、私は露骨に足を止める。
訝しくなる。焦るというそれ自体が、普段の和永さんのイメージからは懸け離れている気がしてならない。
私との離婚は、そこまで彼の生活、あるいは職務に支障をきたすだろうか。
離婚を私のせいにしてもらえたら、と提案したときも、和永さんは珍しく声を張り上げてまで拒んだ。でも、離婚によって叔父の顔に泥を塗るのは彼ではなく私だ。言うほど深刻な問題ではない気がしてしまうのは私だけなのか。
割れた皿の破片を処理し、シンクに残った洗い物の残りも片づけてからひと息つく。
濡れた手を拭い、リビングとひと続きになったダイニングへ戻ると、指に絆創膏を巻き終えた和永さんと目が合った。薬箱は、すでにリビングの元の棚に戻されていた。
「すまない。余計な手間を増やした」
ぽつりとした呟きを聞く限りでは、落ち込んでいるような印象を受けた。
皿を割ったからなのか、あるいは怪我をしたからなのか。和永さんがどちらの理由で落ち込んでいるのか、それとも別の理由があるのか、なんとなく測りかねてしまう。
気まずさのあまり、キッチンから戻ったばかりの私の足は、再びキッチンへと向いた。
「気にしないでください。ええと、私、お茶でも淹れてきま……」
「薫子」
話を遮るように呼ばれたせいで、私は露骨に足を止める。