旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
彼にとって私はいてもいなくてもいい妻のはずで、それなのにどうしてここまで頑なに離婚に応じたがらないのか、私にはよく分からない。
結婚してまだ一年しか経っていないことも理由なのかもしれない。確かに、期間が短すぎて外聞が悪そうではある。
ただ、時間が経てば経つほど私の決心は鈍っていくし、そうなればますます和永さんに迷惑がかかる。和永さんだって再婚なりなんなり考えるのなら、離婚が長引けば長引くほど不利だ――どく、と胸が不穏に高鳴る。
(……再婚?)
どくどくと騒ぎ始めた胸を、私は思わず押さえた。
自分の脳内だけで完結している想像に、自分こそが傷ついている。間抜けだ。離婚後にどうするかなんてそれぞれの自由だし、もし伴侶にふさわしい相手が現れたならそのときは当然再婚もできる。
私は、あの人の未来に関与できない。する気もない。
そのはずなのに、この胸のざわつきはなんなのか。
職場までの通り道の、あの花屋の店員さんの顔が、不意に脳裏を過ぎった。
ショートヘアの快活そうなお姉さん。彼女を相手に表情豊かに話し込んでいた和永さんの顔も、ほとんど同時に蘇る。
結婚してまだ一年しか経っていないことも理由なのかもしれない。確かに、期間が短すぎて外聞が悪そうではある。
ただ、時間が経てば経つほど私の決心は鈍っていくし、そうなればますます和永さんに迷惑がかかる。和永さんだって再婚なりなんなり考えるのなら、離婚が長引けば長引くほど不利だ――どく、と胸が不穏に高鳴る。
(……再婚?)
どくどくと騒ぎ始めた胸を、私は思わず押さえた。
自分の脳内だけで完結している想像に、自分こそが傷ついている。間抜けだ。離婚後にどうするかなんてそれぞれの自由だし、もし伴侶にふさわしい相手が現れたならそのときは当然再婚もできる。
私は、あの人の未来に関与できない。する気もない。
そのはずなのに、この胸のざわつきはなんなのか。
職場までの通り道の、あの花屋の店員さんの顔が、不意に脳裏を過ぎった。
ショートヘアの快活そうなお姉さん。彼女を相手に表情豊かに話し込んでいた和永さんの顔も、ほとんど同時に蘇る。