旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
 パンツを合わせてみて、こっちのほうがいいかも、と唇を緩める。
 これなら浮かれすぎにも見えなそうだ。靴はアンクルストラップのサンダルを用意してあるから問題ない。

 着替えながら姿見に背を向け、ブラウスの腰のリボンに指を伸ばす。
 形が良く見えるように、丁寧に結んでいく。それから、化粧台の引き出しに大事にしまっておいたジュエリーケースを取り出した。

 去年の秋、誕生日プレゼントで和永さんからもらったネックレスだ。

 その日も私たちは顔を合わせられなかったのだけれど、誕生日の朝、リビングのテーブルの上に用意されていてかなり驚いた。そういうことを大切に考えてくれる人なんだ、と。

 首の後ろに手を回してネックレスを着け、鏡に向き直る。
 ホワイトゴールドのチェーンと、控えめな大きさのトップのダイヤが、それぞれ品のある輝きを湛えている。外に着けていくのは初めてで自然と胸が高鳴って、でも。

 このとき、私は相当に浮かれていた。
 自分で思っている以上に。
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