君の声は痛みをほどく
奏汰は無頓着そうに見えて誰よりも気遣いが上手。
美憂もあの時私と一緒に泣いてくれたぐらい心優しい子だし、人を笑わせるのが上手。
一人になると考えてしまう時がある。
きっと私はあの二人がいなかったらもうとっくにいなくなってるって。
二人に対する感謝の気持ちと同時に罪悪感が溢れ出てくる。
私、ずっと二人に助けてもらってばっかだな。
家に着き、ドアを開ける。
「ただいま…」
私がいくら大きな声でただいまって言ってもおかえりが返ってくる事なんてない。
聞こえるのは無機質な時計の秒針の音と家電の音だけ。
一人暮らしには大きすぎる家の中で、私は今日も浅い呼吸をする。
嫌な夢を見ないようにと願いながら。