宇宙で、推しとウエディング!?
「花嫁探しのために、初めてこのチロルをおとずれたとき、事前データの探索不足で、着陸したのが砂丘の真ん中だったんだ。歩いても歩いても、砂丘ばかりで、いよいよ力尽きようとしていた時、助けてくれたのがポピーだったんだ。その優しさに、心を打たれてな。それで、花嫁候補にした」
今にも力尽きそうなカッコいいサカエくんと、心優しいアンドロイドのポピーの初めての出会い。
なんて、少女漫画な展開なの?
わたしも、サカエくんとしたい!
「うう……」
「なんか、うなってないか?」
「いずれにしたって、ラブラブじゃん!」
「どうしたっ?」
ガタン! と、イスから立ち上がったわたしを、不思議そうに見上げるサカエくん。
その視線に内心ニヤつきながらも、わたしは、ビシ! とポピーに向かって宣言した。
「ポピー! わたしと勝負して!」
顔パーツは目だけのポピーだけど、わたしにはわかる。
今、ポピーは、ポカンとした顔をしてる。
それでも、わたしはかまわず続けた。
「わたしが勝ったら、花嫁候補を下りてもらう! わたしに勝てないようじゃ、サカエくんの花嫁になんてなれないんだからね!」
「は、はい」
これでいいんだ。
だって、サカエくんをそう簡単にあげるわけにはいかないもん。
花嫁候補、なんだから、厳しくいかないとね。
「なんだ。頼む手間が、省けたな」
「え? なんのこと?」
サカエくんのサラリとした一言に、今度はわたしがポカンとしてしまう。
「お前に、花嫁たちのカベになってもらうつもりだったんだ」
「カ、カベ?」
「出会ってそうそう、こんなところに連れてきて、ここまで頼むのも申し訳ないと、今まで言えなかったが。まあ、今、言ったとおりだ。花嫁たちの試練になってほしい。お前は、むだに元気なところが、とてもいいと思っていた。よろしく頼むぞ、シュリ」
「え、ええーッ!」
ここで、初名前呼びッ……? やったー!
それに、むだに元気なところが、とてもいい……って、喜んでいいのかっ?
ううん、いいんだよね!
サカエくんがそのつもりだったのは、むしろ好都合だよ!
「さあ、ポピー。勝負しよう! なんの勝負にするかは、ポピーが選んでいいよ」
「……わかりました。では、こういうのはどうでしょう」
ポピーが、人さし指をノック式のボールペンみたいに、反対の手のひらにグッと押しつけた。
今にも力尽きそうなカッコいいサカエくんと、心優しいアンドロイドのポピーの初めての出会い。
なんて、少女漫画な展開なの?
わたしも、サカエくんとしたい!
「うう……」
「なんか、うなってないか?」
「いずれにしたって、ラブラブじゃん!」
「どうしたっ?」
ガタン! と、イスから立ち上がったわたしを、不思議そうに見上げるサカエくん。
その視線に内心ニヤつきながらも、わたしは、ビシ! とポピーに向かって宣言した。
「ポピー! わたしと勝負して!」
顔パーツは目だけのポピーだけど、わたしにはわかる。
今、ポピーは、ポカンとした顔をしてる。
それでも、わたしはかまわず続けた。
「わたしが勝ったら、花嫁候補を下りてもらう! わたしに勝てないようじゃ、サカエくんの花嫁になんてなれないんだからね!」
「は、はい」
これでいいんだ。
だって、サカエくんをそう簡単にあげるわけにはいかないもん。
花嫁候補、なんだから、厳しくいかないとね。
「なんだ。頼む手間が、省けたな」
「え? なんのこと?」
サカエくんのサラリとした一言に、今度はわたしがポカンとしてしまう。
「お前に、花嫁たちのカベになってもらうつもりだったんだ」
「カ、カベ?」
「出会ってそうそう、こんなところに連れてきて、ここまで頼むのも申し訳ないと、今まで言えなかったが。まあ、今、言ったとおりだ。花嫁たちの試練になってほしい。お前は、むだに元気なところが、とてもいいと思っていた。よろしく頼むぞ、シュリ」
「え、ええーッ!」
ここで、初名前呼びッ……? やったー!
それに、むだに元気なところが、とてもいい……って、喜んでいいのかっ?
ううん、いいんだよね!
サカエくんがそのつもりだったのは、むしろ好都合だよ!
「さあ、ポピー。勝負しよう! なんの勝負にするかは、ポピーが選んでいいよ」
「……わかりました。では、こういうのはどうでしょう」
ポピーが、人さし指をノック式のボールペンみたいに、反対の手のひらにグッと押しつけた。