幼なじみ~Save the Earth0 Epi.1~
私は空になったカバンを持って、炎の後ろをついていった


「勉強、教えてもらいに来たのか、マンガ借りに来たのか、分かんねえなあ、海雨は。」


「何か言った?」


「はいはい。
何も言ってませんよっと。」


炎は階段を昇りきり、一番奥の部屋を開けた



小さい頃は、よく遊びに来ていた炎の部屋も、長い間ご無沙汰だった


「入って。」


炎は私を自分の部屋に入れた


「相変らず、広い部屋。」


「そうか?
普通だと思うけどな。」


「炎、これが普通だったら、一般人の部屋は、全て狭く感じるわよ。」


「ん?」


炎はごまかすように、本棚に向かった


「ああ、ほら。これ。」


私は、炎が指差したところを見た


「本当に全巻、借りて行っていいの?」


「ああ、いいよ。」


私はマンガを2、3冊ずつカバンに入れ始めた



半分くらい入れただろうか


ふと本棚の隅に隠してあるように、小さな本が置かれていた


「なに、これ。」


私がその小さな本を手に取ると、炎は慌てて私の手からその本を取った


「え?何?」


「何でもないよ。」


「何でもないなら、見せてよ。」


私は、炎が慌ててるのをいいことに、その本を奪い取ることに必死だった


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