幼なじみ~Save the Earth0 Epi.1~
「やめろって、海雨!」


「いいじゃん、いいじゃん!」


私は遂に炎の手から、その小さな本を取った


「やったあ!」


私はその本の表紙を見て、胸がズキッとした


―彼女と上手くいく方法―


炎はまた、私の手から、その本を奪い取った


「ははは…」


ごまかすように笑う、炎とは反対に、私の気持ちは沈んでいた


「炎…」


「はい?」


「か、彼女でも…できたの?……」


「え?」


炎はまだ、ごまかすように笑っていた


「そうなんだ…彼女いるんだ…」


落込む私に気付いたのか、炎は私の顔を覗き込んだ


「いないよ。」


「本当に?」


「海雨にウソついて、どうすんの。」


炎は、少し照れていた


「海雨はさ、男の子と付き合った経験ってある?」


突然の質問だった


「え!!」


私はびっくりして口をあんぐり開けた


「そんなに、びっくりする事?
俺たち高校生なんだから、いてもおかしくないだろう。」


「そ、そうだけど…」


私も炎も、微妙な雰囲気に包まれた



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