次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「部屋の暑さはもういいからさ、一緒に寝てくんない?」
「はい……?」
「だーかーら、目が覚めちゃったし寝かしつけて♡」
「えっと……」
「さすがにそんなお願いは無理?」
「そう、ですね……難しいです」

 私の反応を楽しんでいるのか、ニコニコと機嫌よく笑みを浮かべながら無理難題を押しつけてくる。
 どんな要望でも叶えるのがコンシェルジュ、と言われてきたけれど、さすがにお客様と添い寝することは無理な話だった。

「でもさ、柚希さんも疲れてるんじゃない? 目の下、うっすらとクマができてるよ」

 心配そうに顔を覗き込まれ、彼の手が伸びてくる。
 私はパッと距離を取ると、深々と頭を下げた。

「ご心配いただきありがとうございます。私は大丈夫です。そして先ほどの件ですが、当ホテルでは先ほどご依頼いただいたようなことはできかねます」
「そう。……冗談だよ」

 本気なのかそうではないのかよく分からないテンションで板倉様が言う。
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