次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
そのとき、後ろからコツコツと足音が聞こえてきた。あたかも、今しがたやってきましたという体で、達成さんが頭を下げた。
「恐れ入りますが、当ホテルのコンシェルジュサービスは日付が変わるまでとなっております」
「またあんたかよ……」
達成さんを見て、お客様が顔を顰める。達成さんは顔を上げると、笑顔を張り付けたまま言った。
「申し訳ございません。一部、会話が聞こえてきたもので。それと原則、指名制ではございません。今後、どなた様にも均等かつ均一のサービスを受けていただけるよう、指名制といった暗黙のルールは受け付けませんので、ご了承ください」
「チッ……。たかが一介のスタッフがよく言えるな。元々、ずっと指名で受けてくれてたけど?」
「今後はそういったものはなくしていく所存です。あと私、申し遅れましたが、ここの代表取締役をしております」
「……は?」
「今後は東京のみならず、グループ全体の統括を行う予定ですので、どうぞ当ホテルのお客様であり続けたいご意向があるようでしたら、先ほど述べたルールは守っていただけると」
声のトーンが低くなり、お客様を見つめる彼の目が冷たくなる。
板倉様はもう一度舌打ちをすると、あっそ、と一言呟いて乱暴に扉を閉めた。残された私たちは顔を見合わせる。
「これで少しはあなたへの依頼も落ち着くでしょう」
彼はそう言うと、先に歩き出した。私も慌ててついていく。
「恐れ入りますが、当ホテルのコンシェルジュサービスは日付が変わるまでとなっております」
「またあんたかよ……」
達成さんを見て、お客様が顔を顰める。達成さんは顔を上げると、笑顔を張り付けたまま言った。
「申し訳ございません。一部、会話が聞こえてきたもので。それと原則、指名制ではございません。今後、どなた様にも均等かつ均一のサービスを受けていただけるよう、指名制といった暗黙のルールは受け付けませんので、ご了承ください」
「チッ……。たかが一介のスタッフがよく言えるな。元々、ずっと指名で受けてくれてたけど?」
「今後はそういったものはなくしていく所存です。あと私、申し遅れましたが、ここの代表取締役をしております」
「……は?」
「今後は東京のみならず、グループ全体の統括を行う予定ですので、どうぞ当ホテルのお客様であり続けたいご意向があるようでしたら、先ほど述べたルールは守っていただけると」
声のトーンが低くなり、お客様を見つめる彼の目が冷たくなる。
板倉様はもう一度舌打ちをすると、あっそ、と一言呟いて乱暴に扉を閉めた。残された私たちは顔を見合わせる。
「これで少しはあなたへの依頼も落ち着くでしょう」
彼はそう言うと、先に歩き出した。私も慌ててついていく。