次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
達成さんの部屋にスカーフを忘れてきてしまった。ジャケットとスカーフを椅子の背もたれに掛けていたから、きっとそこにあるだろう。
私は自分の襟元をたぐり寄せた。
「無くしたの?」
「いえ……宿直室にあると思います……」
「……そう」
どうやら納得してくれたらしい。
ホッと胸を撫で下ろし、彼女に頭を下げる。
だけど、どうにかして彼の部屋まで行って、スカーフを取りに行かなければ。
髪とメイクを直してからの算段を立てていると、紫苑寺さんが「達成さん!」と華のある声で彼の名前を呼んだ。
後ろに振り向くと、エレベーターから降りてきたのか彼が立っている。
「もうお仕事されるの?」
「いえ、このあともう少し休みます」
「そうなの。もし、よろしければ快眠に効くハーブティーをお淹れします」
そんなやり取りを聞きつつ、彼とそれとなく目配せする。
きっと、彼は私が忘れたスカーフに気付いたはず。もし、持っていたとしても今は声を掛けないように、という無言の合図だった。
彼も察したようで、紫苑寺さんとの会話を続けている。
私は自分の襟元をたぐり寄せた。
「無くしたの?」
「いえ……宿直室にあると思います……」
「……そう」
どうやら納得してくれたらしい。
ホッと胸を撫で下ろし、彼女に頭を下げる。
だけど、どうにかして彼の部屋まで行って、スカーフを取りに行かなければ。
髪とメイクを直してからの算段を立てていると、紫苑寺さんが「達成さん!」と華のある声で彼の名前を呼んだ。
後ろに振り向くと、エレベーターから降りてきたのか彼が立っている。
「もうお仕事されるの?」
「いえ、このあともう少し休みます」
「そうなの。もし、よろしければ快眠に効くハーブティーをお淹れします」
そんなやり取りを聞きつつ、彼とそれとなく目配せする。
きっと、彼は私が忘れたスカーフに気付いたはず。もし、持っていたとしても今は声を掛けないように、という無言の合図だった。
彼も察したようで、紫苑寺さんとの会話を続けている。