次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
『いいよ。ご飯、作るね』
『いいのか?』
『うん! すごいものは作れないと思うけど……』
『嬉しい。楽しみにしてる』

 それから、ちょこちょこと今日あったことなどを話して、おやすみと挨拶を送り合う。
 彼とのやり取りをニヤニヤと眺めながら、私はため息をついた。

「どうしよう……。ご飯作るって言っちゃった……」

 今から何を作ろうかと頭の中で献立を組む。
 洋食? 和食? 中華? さすがに中華は難しいかな……と思いながら、私はネットでレシピを検索し始めた。

 あれもこれもおいしそうと思いつつ、結局、いつも作り慣れている料理がいいかもしれないと考え直す。

 そこで、ふとあることに気付いた。

「ご飯作るってことは、この部屋に来るってこと……?」

 勢いよく飛び起き、慌てて部屋の中を見渡す。
 片付けていないわけではないけれど、掃除は細かいところまで行き届いていないし、長年使い続けたクッションカバーもくたびれていた。

 これは早急になんとかしなければ。仕事終わりに買い物に行くこともやることリストに加える。

 楽しみだけれど、たくさん準備しなければならないことに気付いて、私は頭を抱えた。
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