次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「お茶用意するね。あっ、それとももうご飯食べる?」

 もらったケーキを冷蔵庫にしまいながら尋ねる。
 すると、すぐにご飯が食べたいと返ってきた。なんでも、昼休憩が取れず、ほとんど何も食べないまま、ここにやってきたらしい。

「わかった。すぐ用意するね」

 私は用意していた料理を温め、最後のひと手間を加えて完成させると、テーブルの上に料理を並べた。

「すごいものは作れなかったんだけど……」

 そう前置きしつつ、味がしみるまで煮込んだ肉じゃがや副菜のおひたし、きんぴら、味噌汁を並べる。
 時間を逆算して炊いていたご飯もよそって持っていくと、彼がにこにこしながら座っていた。

「とってもおいしそうだ」
「どうぞ、召し上がれ」

 二人で手を合わせ、熱々の料理に手をつける。
 私が今日の献立にと選んだのは和食メニューだった。
 本格的な中華料理は難しいし、洋食もそれなりのものは作れても、ホテルで出る料理と比べたら劣ってしまう。だけど、和食ならいつも時間があるときに作っているし、レシピを見なくてもすぐに作れる。
 彼の普段の食事を考えても、和食なら他と比べられることも少ないかと思って出したのだけれど、どうやら当たりだったようだ。
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