次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「おいしい……。久々に和食を食べた」
「よかった……。何を出そうか悩んでたんだ」
「悩ませてしまって申し訳ないな。でも、本当においしいよ。優しい味で食べやすいし、何よりずっと洋食ばかりで……」

 ロイヤル・ローズでも和食はある。でも、圧倒的に洋食メニューの方が多い。
 お客様からの需要も多く、長く技術を磨いてきたのもあって、うちの売りだからだ。だから、ルームサービスを利用し続けていれば、自ずと洋食に寄ってしまう。

「柚希、料理上手なんだな」
「意外って思った?」
「そんなことはないよ。でも、こういう仕事をしてたら自炊しにくいだろう?」
「まぁね。でも社会人になりたての頃はちょっとでも節約したくて頑張ってたんだ」

 今でこそしっかりお給料をもらえているけれど、新人の頃はそうもいかない。切り詰めなければならないほど生活に困っていたわけではないけれど、なるべくなら無駄な出費は抑えたいと思って頑張っていたのだ。
 その頑張りがこうして日の目を見たのは嬉しい。

 達成さんはお腹が空いていたのか、ぱくぱくと料理を食べすすめると、最後はおかわりまでしてくれた。

「おいしかった。ごちそうさま」
「こちらこそ、喜んでもらえてよかった」
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