次期ホテル王として戻ってきたイジワル幼馴染に溺愛されています
「そういえば聞いてなかったけど、このあとってすぐ帰る……?」
「いや、何時でも」
「何時でも!?」
「仕事はしっかりやってきたから」

 柚希との時間を大切にしたかったから、と彼が私の頬を撫でる。気付いたら彼に体を引き寄せられていた。

「あ、の、映画とか……見る……?」
「んー……、それもいいけど、俺は柚希を見てたいかな」

 頬を撫でていた手が耳たぶに触れる。輪郭を確かめるように、ゆっくりと耳の縁を撫でられた。

「ん……、それ……、くすぐったいよ」
「わざとしてるからな」

 彼の目がきゅうっと細くなって弧を描く。愛しくてたまらないといった目で見つめられると、胸が爆ぜそうだ。
 ゆっくりと近付いてくる唇に抗えなくて目を閉じる。
 抵抗なく受け入れた私に満足したのか、いい子だと言わんばかりに頭を撫でられた。

 ちゅ、ちゅっ、とついばむようなキスなのに、もっと、もっと、と湧き出る欲望が止まらない。
< 129 / 150 >

この作品をシェア

pagetop